おススメしてない和風住宅
取締役副社長  藤原 孝之
 和風住宅とは、城でもなく数寄屋でもなくお寺でもなく神社でもない。それらは、和の建物ではあるが住宅ではないからだ。江戸末期から昭和初期の民家住宅が和風の家の原点ではないだろうか。その後、コンクリート基礎になり、モルタル壁になり、新建材を張り、スレート屋根を葺いた。法的規制もあるが、「古い物より新しい物」高度成長も追い風となり、古民家を解体し新しい家を建ててきた。古い家を悪い家としてきた。

 

 確かに古い家は、基礎は石を並べて土台とは緊結しておらず、壁は土壁で柱との隙間から外が見えた。建具は障子で雨が降ると湿けって剥がれた。天井は板張りだが雨漏れで板の隙間から雨水が落ちた。たしかに悪い家だ。

 

 しかし、その悪い家は心和み「ホッ」として転がりたくなる癒しの居場所ではなかっただろうか。それは全てが自然素材であるからだ。最近若いお客様から、おススメしていないのに、「和風住宅にして下さい」とよく言われる。これは日本人の持つ感性が、その良さを知らず知らず感じさせているのではないか。

 

 日本には、日本の気候風土に合った住宅の工夫が有る。先人はその時代に合った家を造ってきた。けして古い民家が悪いわけではない。その時代では人々から脚光を浴び、歓びと感動を与え、歴史を歩んできたのだ。

 

 これからの住宅は、風土を考慮した省エネで賢い家(スマートハウス)でなければならない。現代の要求事項を満たし、和の心地よさを盛り込む。これが今求められている和風住宅ではないだろうか。このことを踏まえこれからも、心和み、「ホッ」として転がりたくなる家を造っていきたい。